2022年6月16日~17日に東京ビッグサイトで開催された「住宅ビジネスフェア/非住宅 木造建築フェア/マンション総合EXPO」に行って来ましたので、気になったサービス、技術、企業様を数回に分けてご紹介させていただきます。皆様に有益な情報となれば幸いです。
遮熱透湿防水シート「ABSS」|株式会社オズ・ワーク様
株式会社オズ・ワーク様は「より良い住環境の未来を目指し、環境に配慮した建材でサステナブルな家づくりを支える」をコンセプトに住宅用外壁施工部材などの販売をしている企業様です。
そのオズ・ワーク様の商品ラインナップの中から、今回は外壁からの輻射熱を低減する遮熱機能を備えた遮熱透湿防水シート「ABSS」をご紹介します。
遮熱透湿防水シート「ABSS」
「ABSS」は、透湿・防水機能に加え、外壁からの輻射熱を低減する遮熱機能を備えた遮熱透湿防水シートです。シート自体にコシがあり、タッカー留めによる破損の心配がありません。
また、シート強度に優れており、しわになりにくく、きれいに張りあがります。外壁用透湿防水シートB適合なので、透湿性に優れ寒冷地でも安心して施工できます。
「ABSS」3つの性能
①遮熱…外壁からの輻射熱を反射
ABSSは赤外線を約80%反射します。
室内に侵入する熱をカットすることにより、消費電力を抑える効果も期待できます。
②透湿…本来の防水シート機能が高く、結露を防止
ABSSはアルミを蒸着されているため透湿性能が高く、高温多湿の日本の住環境に
適した透湿性抜群の遮熱シートです。
③強度…多重構造で防水性が向上
ABSSは3層構造でJIS規格を大きく上回る約2.4倍の強度があり、破れにくい!
そのため、防水性に優れています。
遮熱シート「アビス」使用時の効果テスト
夏場を想定して135Wの熱を60分間当て続けたときの防水シートとの当社温度
実験での温度差は5度ありますので、かなりの効果があるといえますね。気候変動問題、エネルギー問題の解決に寄与するこういった製品は、今後も注目を集めていくことでしょう。
引用:株式会社オズ・ワーク様ウェブサイト/住宅ビジネスフェア様ウェブサイト
無料のEV充電インフラ「Terra Charge」|Terra Motors株式会社
Terra Motors様は「新産業を創造し、社会をより便利にする」ことをミッションに掲げ、持続可能な e-Mobility 産業におけるリーディングカンパニーを目指す、日本発のグローバルベンチャーです。
電気自動車(EV)の充電インフラ構築、及びEV2輪・3輪の開発から販売までの全行程を行っており、日本、南アジア、東南アジアにおけるモビリティ・プラットフォームを実現し、EVがより身近な世界の実現に向けて貢献しています。
それでは、Terra Motors様の主力商品である、電気自動車(EV)充電インフラ「Terra Charge」をご紹介します。
既設マンションに無料で導入できる
EVは自宅で補給ができることも大きな魅力です。テラチャージなら、マンションでも気軽に補給できる環境をつくれます。初期コストだけでなく、月額やメンテナンス費用といったランニングコストも無料なので、管理組合での合意形成が容易です。まだEVに乗っていないという方も、2035年のガソリン車新車販売禁止に向けて無料で準備ができ、マンションの資産価値向上にもつながる可能性があります。
アプリを使って簡単に充電できる
EVユーザーは専用アプリを使って充電ができます。利用可能な充電器の確認、充電器の予約、充電の制御、充電料金決済などはユーザーのアプリ上で完結します。アナログな予約の管理や料金徴収が不要なため、管理組合側に管理の負担はほとんどかかりません。
安価なコンセントをIoT化で高機能に
EVコンセントは安価ですが、充電料金の管理ができない、予約ができない、充電ケーブル盗難の懸念があるなど、デメリットも存在します。また、1から独自の充電設備を開発すると本体代が高額になってしまいます。内部にPanasonic社のコンセントを採用し、Terra独自のIoT化技術と組み合わせることで、高機能ながら無料での導入を実現しています。
EV普及の起爆剤となるか?
世界的にEVの普及が進む中、現状では日本は完全に後塵を拝しています。
その理由の一つに、充電設備の不足が挙げられています。日本では約4割の国民が集合住宅に住んでいるが、EV施設を完備している施設は全体の1%しかありません。
その課題を解決すべく、Terra Motors様は、既設マンションに初期コスト無料で充電設備を設置できるサービス「Terra Charge」を開始しました。
本サービスがEV普及の起爆剤になることが期待されます。
引用:Terra Motors株式会社様ウェブサイト/住宅ビジネスフェア様ウェブサイト
給水管劣化対策|T.K.K.エボリューション株式会社
T.K.K.エボリューション様は、日本の伝承技術の水処理技術を用いて、建物の長寿命化と省エネをテーマにビジネスを展開している企業です。
今回は独自に開発した給水管劣化対策(配管マグネタイト工法)をご紹介します。
配管マグネタイト工法Ⓡとは、BW水改質装置(商標登録:The Biowater)を給水管や貯水槽に設置し、水を改質する事で配管内面に発生している赤錆を黒錆(マグネタイト)に変えて配管を長寿命化させる工法です。
黒錆は地金と錆層の間に間断なくコーティングしたように形成され、結晶状の黒錆で地金が保護されます。黒錆は赤錆よりも密度が10倍高く安定しているので、配管閉塞や赤水(錆水)の症状も改善します。
また配管の肉厚が失われ漏水寸前の箇所は、黒錆により元の肉厚まで復元されるので漏水のリスクを回避できます。すでに漏水している場合でも漏水箇所が次第に減少し漏水の現象は止まります。
配管マグネイト工法のメリット
①ケミカル・エネルギー共にフリー、原則メンテナンスもフリー
②短工期、低価格、躯体の寿命まで長期に効果持続
③管の老朽化の程度を問わず、漏水履歴があっても適用可能
④水改質の効果による快適な水環境の実現
⑤水環境負荷の低減をもたらす三方良しの工法
日本では少子高齢化の進行による人口減少により経済規模が縮小し、これまでのスクラップ&ビルドの時代から、限られたモノや資源を可能な限り活かしていく「メンテナンスの時代」へと移行していきます。そういう意味で、現在使用している配管を長寿命化できる工法は有効な選択肢の一つと言えるでしょう。