前回の「地中熱」編に続いて、省エネ・リサイクル関連のレポートをアップします。
ガラス用遮蔽コーティング「ZEROCOAT」
住宅では大きな開口部である「窓」が、室内の温度に大きな影響を与えます。冬場に結露が発生するのもそのせいです。そこで窓に特殊なコーティングをすることで、外部からの温度の影響を小さくし、エネルギー消費量を減らす商品が注目されています。
「ZEROCOAT」は優れた近赤外線カット性能と高耐候性・ 高硬度の塗膜を形成する窓ガラス用遮蔽コーティングです。
可視光線透過率75%以上と高い透過率を誇り、施工後のガラスは透明性を保持する事が出来ます。そして、光を透過させながら人が最も暑く感じる近赤外線波長域を約90%カット、褐色劣化、シミ・ソバカスの原因である紫外線を約97%カットします。
窓に塗るだけで窓ガラス付近の温度上昇を5~10℃抑制する効果があり、それにより冷房の設定温度を改善することで20~30%の省エネ効果が期待出来ます。
私も手を出してチェックしましたが、普通のガラスでは「かなり熱い」と感じるのですが、コーティングしたガラスでは「温かい」と感じる程度で、その違いに驚きました。
エスケー石鹸「リサイクル石鹸」
使用済み食用油は、流せば水質汚染、燃やせば地球温暖化を加速させます。その廃油を利用した石鹸ををつくれないかと大手飲食店から相談があったことがきっかけでリサイクル石鹸が開発されました。
飲食店で出た廃油で作った石鹸と聞くと嫌な臭いがするのでは?と危惧されますが、実際は全然臭いません。
次世代HVLS(大風量低速回転)ファン「Macro Air」
「Macro Air」はファン自体の省エネに加え、夏の冷房、冬の暖房効果を高めて空調コストを30~40%削減します。
コストメリットだけでなく大型施設での猛暑対策としても効果を発揮、快適な室内環境を維持します。
バイオガス小型発電機
バイオガス発電はバイオマス発電とは違うものです。 一見、どちらもバイオ燃料を用いた発電方法のため同じように思われがちですが、両者には明確な違いがあります。
バイオガス発電は、家畜の糞尿、食品廃棄物、下水道・汚水などの有機ゴミを発酵させて可燃性のバイオガスを取り出します。そのバイオガスでガスエンジン発電機を回す仕組みです。
バイオマス発電は、家畜の糞尿、食品廃棄物、木質廃材などの有機ゴミを直接燃焼し、発生する熱を利用して蒸気でタービンを回す仕組みです。 要するに火力発電の燃料(石油・石炭・天然ガス)が有機ゴミに変わったものとお考えいただくと分かりやすいです。
バイオガス発電はプラント設備の構造がバイオマス発電に比べてシンプルなため、導入にかかるコストを抑えることが可能です。また、シンプルなつくりはメンテナンスのしやすさにもつながることから、清掃・修理にかかる手間や維持コストの削減もできます。
また、バイオガスの燃焼時には二酸化炭素(CO2)に代表される温室効果ガスがほとんど出ないので、有機ゴミを直接燃やすバイオマス発電よりも環境対策に有効なのです。
環境先進国として知られるドイツや北欧諸国ではバイオガス発電の導入が進んでおり、最近では東南アジアなどでもバイオ燃料の利用が進んでいます。しかし、日本では糞尿や食品残渣(ざんさ)、食品廃棄物などの廃棄物系バイオマスが一部利用されているにすぎず、現段階では事業として成立している施設が少ない(研究目的の施設を除く)というのが現状です。 今後の動向が注目されます。
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